価格だけで決める愚かさ

マンション内に設置しているカフェの運営会社の変更

昨日帰宅したら、ポストに、マンション内に設置しているカフェの「委託会社変更事前説明会資料」なるものが入っていました。
以前より、カフェの運営には問題があって、一度、運営会社を変えた経緯があり、今回、また運営会社を変えるらしいのです。

「事前」ではなく、「事後」説明だった

資料を開いてみると、現在の問題点が列挙されていました。

マンション居住者からの意見

  • 管理組合から支払っている委託費が高すぎる
  • パンを買いたいときに品切れしている
  • 店員の愛想が悪い
  • 店員にテーブルを拭いてもらうように頼んだら、怒り気味で対応された
  • パンの種類がマンネリしているので飽きた
  • 住人の声を聞いてくれない

総合的な問題点

  • 粗利が落ちてきている
    居住者は増えているのですが、営業利益が落ちているそうです。
    営業利益が落ちていると、存続に必要な経費を委託費という形で補填を続ける必要があるので、委託費を下げたいマンションの管理組合としては、これは問題ですね。
  • 運営会社のサポートが無い
    運営会社が、現地スタッフ任せにしてしまい、去年の夏にスタッフ8名が一斉辞職したらしい。
    従業員のネグレクトですか…別の意味でのブラック企業ですなぁ…
  • 改善する意識が無い
    営業利益を向上して、委託費を減額するために、様々な経営改善を求めたが、改善されなかったそうです。どうやらプロの意見も求めたみたいですが、聞き入れなかった模様。

コンペ

さて、現行の運営会社を含めて、5社によるコンペが開催されたようです。
各社の提案内容が書かれてありました。
そして、決定についても書かれてありました。
え? 決定なの?

一番、委託費が安い、とあるカラオケや社員食堂で実績がある企業になってました。
え?
「事前」じゃなくて、「事後」じゃないですか…

少人数の委員会でマンションの付加価値に関する事案が決定される問題

今回の件で、一人の居住者として不満だったのは、マンションの付加価値に関する事案が、少人数の委員会で決定された事、そしてその決定要因が委託費に重きを置いている点です。

近隣に商業施設が無いわけではありません。

五棟から成るGated Cityとして、約1500世帯を収容するマンションなので、ミクロな経済圏としては近隣に与えるインパクトは大きく、それを狙って商業施設がどんどん増えています。
そんな状況で、マンション内にカフェがあるべき理由は何か?カフェを維持することで得られる付加価値は何か?というのを是非考えて欲しかったです。
考えられないなら、意見募集して欲しかった。

カフェは、コストじゃないんですよ。付加価値なんですよ。
自分たちのマンションが経年劣化と共に資産価値が目減りしていく中で、それを多少なりとも軽減する、ハードウェアではない、ソフトウェアに近い、付加価値です。

今、マンションの居住者にアンケートを採れば、きっと要望の1位は「スターバックスを入れてくれ」だと思います。
それは、居住者の間で、そういう話題がしきりに持ち上がるからです。
近隣にスターバックスは無いですし。

コンペに参加した企業には、パンの品質や美味しさで著名な企業や、会長自らプレゼンテーションに赴いて単に食べ物・飲物のアイテムを増やすだけでなく、珈琲より紅茶に軸を置いて、紅茶セミナーを定期開催しますという企業も参加してました。

別にカラオケ屋さんが運営する事は悪いわけじゃないけど、単純に安定運営します、委託費一番安いで選ぶのはどうなの?と思います。
近隣にそういうお店はあるので、そういうのがマンション内のカフェとしてある必要性がないです。

パンが美味しいお店が入ってくれれば、毎日の食事の選択肢が広がって、ありがたいです。近隣にパン屋さんはありますが、5〜10分歩いて買うより、さっと下に降りれば買える方が、遥かに便利です。

紅茶に主軸を置いたカフェというのも、近隣には無いので、良いのではないでしょうか。
マンション内には様々なサークルが存在していますが、紅茶セミナーを開催してくれるとなれば、コミュニティ間の相互作用による盛り上がりの一助にもなると思います。

何よりも、企業側の熱意、スタンスを汲んでないのは、どうかなと思います。
商売といっても、結局は、人と人との付き合いです。
その二社は、経営陣が来て、プレゼンしてるので、そういうのって大事です。
経営陣がコミットしたら、そういう人達の面子があるので、手抜きが出来なくなります。

価格だけで決める愚かさ

きっと、この委託企業変更によっても、カフェの利用が盛んになるとは思えません。
無難な選択によって、どこにでもあるような、特徴の無いカフェになってしまうでしょう。
そうなれば、マンション内のカフェを利用する理由は、単純に距離だけの問題になります。

美味しいパンを求める人は、ちょっと歩いて、専門のパン屋さんに行くでしょう。
美味しい珈琲が飲みたい人は、すぐ近所にあるセブンイレブンの珈琲が凄く美味しいので、それで十分です。
ママ友と寛ぎの時間を過ごしたい人は、近隣に星野珈琲店がありますし、子供も一緒になら、マンションの前にマクドナルドがあります。

「問題は何か?」の定義を間違えると、選択を間違えるという典型例です。

問題は「委託費」が高いことではなく、サービスが悪いことでもなく、委託費に見合うマンションにとって付加価値となるものを提供できているかどうかです。
管理組合としては、委託費を削減するのは、お金という分かりやすい指標なので、それに捉われてしまったのだと思います。

しかし、委託費なんて、一人当たりに換算すると微々たるもので、それよりも、マンションという高い買い物をして資産として持っているわけなので、その資産価値が目減りしていくのをどうやって減速させるかという観点での付加価値で、委託する会社を選択して欲しかったです。

そういう意見をヒアリングする場すら設けずに、少人数の委員会で、そういうことを決めるというのが一番の問題だとも思います。

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