アメリカ、NYを舞台にした法律事務所のドラマ「Suits」が面白い!

観ていないなら、絶対にお勧め! Suitsの魅力

アメリカ・USAネットワークで、2011年から放送されているTVドラマ、Suits。
舞台は、ニューヨークの一流法律事務所。ハーバード・ロースクールの卒業生しか雇わない、一流の中の一流の事務所。

主人公のハーヴィ・スペクターが事務所の経営に参画できるシニア・パートナーに昇格する条件として、弟子となるアソシエイトを取る事を条件として出される。

そのアソシエイトの面接会場であるホテルに、人生を転落していたマイク・ロスが、悪友から頼まれた麻薬の配達にやってくる。そして、その麻薬の注文は警察のおとり捜査であることに気付き、ハーヴィの面接会場へと迷い込む。

一様なハーバード・ロースクールの卒業生の面接者とは異なる雰囲気で、興味を惹かれたハーヴィの秘書であるドナは、面接室にマイクを通し、ハーヴィはマイクが麻薬取引で警察から逃げたがっているのを知る一方で、司法試験を代理受験するために六法全書を全て記憶しているという彼の言葉に惹かれて、テストしてみると、その超越的な記憶力に舌を巻くことになる。そして、無資格者のマイクをアソシエイトとして採用することで、全ての運命の歯車が大きく動く事になる…というお話です。

みんな、エリートに見えて、実はそれぞれに苦労人

ドラマを観ると分かりますが、ため息が出そうな程、優雅で、もうエリート社会と思うようなオフィス、大きな仕事、人間関係なのです。
洋服も、主人公は一着100万円するスーツを着ています。住まいはニューヨークのマンションのペントハウス。毎晩、入れ替わり立ち代わり、いろいろな美女との一夜を愉しむ、独身貴族です。

事務所で働く女性達は、所長のジェシカを筆頭に、ハーヴィの秘書のドナ、マイクの同僚で後に恋人、婚約者となるレイチェルは、ブランド物の服と小物でばっちりと決めていて、これまたハイソな雰囲気がバリバリ。

しかし、物語が進むにつれて、それぞれ、色々な問題や過去、家族関係などを抱えており、いわゆる、私達がイメージする「エリート階級出身者」に当て嵌まる人は誰もないということが分かります。

台風の目が成長するように、マイクを雇った事で生じた問題が大きくなっていく


マイクを雇った事で、事務所内で小さな歪みが生じ、徐々に大きくなって問題や難題に立ち向かわなくてはならず、それを乗り越える過程で、各人が人間的な成長を遂げていくところに、きっと最初に惹き付けられるでしょう。

このドラマを観ていて、凄いなと思うのは、決して諦めない事です。
「いや、さすがにここまで追い詰めるか?」という展開が、自然に生じてしまっているのです。一つ問題を解決したと思ったら、それで終わるわけはなく、作用・反作用の波が延々と続いて、まるで池に投げた石の波紋のように、どんどん大きくなって全体へ波及していきます。

智力を尽くして、難問に取り掛かるハーヴィやマイクの二人の姿に、「もしかしたら、まだまだ、自分は頑張れるんじゃないか?」と日頃の仕事について考えさせられる事が多々あり、それが力づけにもなっています。

テーマは、きっとアメリカンドリームと家族の絆

私が思うに、Suitsのテーマは、アメリカンドリームと家族の絆です。
どちらも、アメリカで、形を変えながら消えつつあるものです。

ハーバード・ロースクールを卒業して、一流法律事務所で働いて…というのは、まさにエリートコースのテンプレートです。
ハーヴィ自身は、事務所内の郵便配達係として働いて、努力して、その能力を認めて貰って、事務所から学費を出して貰って、ハーバード・ロースクールに入学して弁護士になるわけですが、彼自身の型破りな生き様は、まさに、その苦労してエリートコースの切符を得たところにあると思います。

そんな彼だからこそ、凄い才能を持っているのに、麻薬の密売人なんてやっているマイクに「アメリカンドリーム」への道を開いてやりたかったのではないでしょうか。

かつては、アメリカンドリームを成し遂げることには、定まった道など無かったのに、それが今では、学歴のレールを(途中で中退するか、卒業しきるかは別としても)走る必要がある。アメリカ国内に漂う、停滞感は、学歴主義一辺倒になってしまったアメリカ社会への反感と根っこが同じだと思います。
それが、中産階級から貧困層まで、不満を溜め込み、トランプ氏への支持へと繋がっている原因だと思います。

そして、もう一つが家族の絆で、かつて古いアメリカ社会では、会社での人間関係に温かみがあったのに、それがどんどん失われてしまい、単なる雇用契約で繋がった、いずれ終わる人間関係みたいな感じになってしまっている事に対するアンチテーゼを掲げているように思います。

ドラマの中で、「私達は家族だ」と、登場人物たちがいうのですが、最初はその言葉に違和感も感じるかもしれません。しかし、物語が進むにつれて、実際の家庭だけではなく、職場での人間関係も家族と同じくらい大事で、仕事とプライベートの区切りが無くなりつつある働き方になっている現代においては、仕事の人間関係は家族関係と同等になりつつあるという、昔のアメリカ社会の価値観への回帰を描いているように思います。

不完全な他者を助ける事で、諦めない意地が生まれる

ドラマの中で描かれる、弁護士業務自体は、別に社会派の内容ではないです。
企業買収あり、訴訟あり、権力抗争ありと、まさに泥臭い法律事務所の世界そのままです。
そんな中で、登場人物たちは完璧に見えて、実は不完全で、でも「家族」と思っているからこそ、窮地に陥った事務所内の仲間を助けるために、全力を尽くし、諦めない。

現代社会においては、日本でもそうですが、社員に対して完全さを求めます。
しかし、完全な社員なんて居ないわけで、誰もが長所と、その裏返しである短所を持っています。
誰かの短所と、誰かの長所で補うから、組織の力が発揮できるわけで、それにプラスして、Suitsでは、誰かの短所を補うからこそ、諦めない意地が生まれるというのを表現して訴えているように思います。

Suits、絶対お勧めのドラマですので、観ていない方は是非、ご覧になってみて下さい。

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