寒いマンションの部屋の床温度の上昇対策

施工後の子供部屋

寒いマンションの部屋

私は、2010年に長谷工のマンションを買って住んでいるのですが、とにかく寒いです。
角部屋で、窓が多いからかもしれません。
しかし、色々と調べてみると、基本的に、日本のマンションは欧米より工法において遅れています。

日本の主流は内断熱、欧米の主流は外断熱

内断熱工法は、コンクリートの躯体の内側に断熱材を貼る工法です。
日本のマンション施工業者のほぼ全てが、内断熱工法です。

外断熱工法は、コンクリートの躯体の外側に断熱材を貼る工法です。
欧米のマンションは、こちらが主流です。

2000年の頃に、この「内断熱工法VS外断熱工法」の議論が沸騰して、マンション業界の方々が色々本を出されましたが、最終的には、何も変わらないままです。

日本でも、外断熱工法でマンションを建設しているディベロッパーがあったんですけど、倒産しちゃいました。
マンション自体は、実際に住んでいる方のお家に行ってみたり、内覧会に行ってみましたけど、凄く暖かかったです。

外断熱工法の何が優れているのか?
それは、コンクリートの蓄熱性と放熱性に関係があります。

コンクリートの蓄熱性と放熱性


コンクリートは、熱をその内部に貯めることのできる量が非常に大きいです。
そして、貯めた熱を放出する速度も非常に速いのです。

内断熱工法の場合、コンクリートの躯体そのものは、断熱材によって阻まれていないため、その躯体に熱を蓄積していきます。
そして、昼間にコンクリートに蓄熱された熱は、熱力学の法則に従って、高温から低温へと移動します。

内断熱によって室内は断熱されていても、全てを遮断はできません。
ヒートブリッジと呼ばれる、外壁と内壁の間にある鉄骨の柱が熱を伝える現象があります。これが断熱を阻みます。

夜になると外気温が下がるため、コンクリートの躯体に貯め込まれた熱は、外にも放出され、熱帯夜の原因となります。
寒さも同様に、室内で、どんなに暖房で温度を上げても、コンクリートが熱を吸収して、外へと放出してしまうわけです。

内断熱工法で建てられたマンションやビルが増える程に、その地域における夏の蓄熱量と放出量は上昇していく一方で、ヒートアイランド現象の要因となります。
つまり環境負荷が高いわけです。

日本のマンションの寿命が短い理由

日本のマンションの寿命が、海外のマンションに比べて短い理由は、内断熱工法にも要因があります。
コンクリートは寒暖の差が激しい程に劣化しやすく、温度の差をまともに受けてしまう内断熱工法では、コンクリートの劣化が加速されます。

それに対して、欧米の外断熱工法の場合は、建物全体を断熱材で覆うために、コンクリート内部の温度は一定のばらつきで安定します。
これによって、建物の寿命が延びるのです。

一軒家の場合は、話が違うと思いますが、コンクリートを主体に建設されるマンションについては、内断熱工法は安くつくれるという以外に何らメリットがないです。

日本では、康和地所というディベロッパーが、「リリーベル」というブランドで、外断熱工法でマンションを建設・販売していました。
本当に、倒産してしまったのは、残念です。

サッシの問題

実は、日本のマンションが寒いのには、他にも理由があります。
窓の問題、サッシがアルミ製なのです。

アルミニウムのサッシ窓は、熱の伝導性が高く、外気温が下がる程に、窓の周辺が寒くなります。
これが結露などの原因となって、カビなどを発生させてしまう。

じゃぁ、何が良いかというと、樹脂サッシです。
最近、国土交通省が樹脂サッシの普及を目指して活動しています。

康和地所は、そこをちゃんと考えていて、その当時から樹脂サッシを採用していました。
そこが素晴らしかった。

うちはアルミサッシです。
寒いです…

冷輻射の問題

近年、また一つ顕在化した問題があり、それは冷輻射です。
断熱材が対応できるのは、熱伝導だけで、輻射熱については対応できません。
輻射熱は、光の一種なので、断熱材で遮ることはできないからです。






熱移動の75%は輻射熱:ちきゅうにやさしい施工研究会」より
輻射は、熱の伝わり方において、75%も占めています。
断熱材で防げるのは、伝導や対流などの25%でしかないのです。

冷輻射とは、 気温が下がって壁や窓などの表面温度が低くなり、人体の熱がそれらに奪われる現象で、壁や窓から離れていても起こります。

輻射の熱移動を防ぐには何をすればいいかというと、アルミニウムのような光を遮るものを貼ることです。
ですから、ホットカーペットの下に、アルミニウムのシートを敷くのは、輻射による床への熱移動を反射させて防ぎ、暖房の効果を上げるためです。
石油ストーブの内部が鏡面になっているのも同様の理由です。

昨今では、この輻射対策が注目されて、一軒家を建てたり、リフォームする際に、屋根や床の土台にアルミニウムのシートを貼る工法が普及しつつあります。
断熱材もアルミニウムを遮熱材として使用するようになってきています。

魔法瓶の保温効果が高いのは、この三つの熱の伝わり方に対策を施しているからです。
  • 伝導・対流 … 魔法瓶と外装の間を真空にして防ぐ
  • 輻射 … 魔法瓶内部を鏡面加工
朝日新聞「魔法瓶はなぜ冷めないの?」から
輻射は、熱の伝わり方の75%を占めるため、特に、体の冷えに影響を及ぼします。
体を冷やすと健康に悪いため、これは建設・建築業界で、頑張って頂きたいところです。

冷輻射の問題は、「なぜ、木造建築を見直すべきか / SAFETY JAPAN [船瀬俊介氏] / 日経BP社」を参照してください。

床温度の上昇対策

さて、ここからが本題です。
実は、私は、2000年ぐらいから、将来家を買うなら…と思って、色々調べて、外断熱工法が良いとは知りつつも、康和地所が倒産したり、奥さんの実家の近くに住みたい事情もあって、外断熱工法のマンションは買えなかったです。

だから、ある程度、寒いのは納得して買ったようなものですが、でも、寒いのは辛いので、これを何とかしたいと思ってきました。

アルミニウムのサッシを、樹脂にするのは、見積りを取ったら、数百万円で、且つ、マンションの組合の許可も必要ということですし、熱の伝わり方の25%にすぎません。

そこで、輻射の方を対策することにしました。
特に、床の輻射です。
他の場所は、素人では対策できないからです。

材料

材料は、以下のものを使用しました。

手順

施工は、以下の手順で行いました。
  • フローリングを綺麗に掃除する
  • 省エネシートを部屋の端から、アルミニウム面を下にして、両面テープで貼っていく
  • タイルカーペットをその上から敷き詰める
実は、春に書斎に施工して、今回は子供部屋に施工しました。
春の施工時は、アルミニウムのシートの大きなものが売っていなかったので、小さいものを貼ったのですが、そちらの方がやりやすいです。

今回は、3畳の大きさのシートを買って使いましたが、どうしても、でこぼこができてしまい、そこの部分のタイルカーペットが浮いてしまいます。

もし、同じことを試される方は、アルミニウムのシートは小さいものを使うことをお勧めします。

効果

さて、効果のほどは…というと、以下のとおりです。
フローリングの状態での床温度

施工後の床温度
なんと、7度以上、温度が上昇しました。

これで、冷蔵庫みたいだった子供部屋も、寝っ転がれるようになりました。
以前は、暖房を入れれば、暖房で頭がぼーっとして、足元が冷えて…という状態でした。
暖房を入れても足元が寒いので、設定温度を28度にしていたからです。

しかし、今では、設定温度を23度ぐらいにすれば十分です。
これで、今年の冬は、少し快適に過ごせそうです。

子供たちは、すっかり喜んで、昨夜は暖かくなった子供部屋に布団を敷いて寝ました。

さて、掛かった費用ですが、子供部屋は約8畳のフローリングでして、3万円ほどで済みました。

コメント

人気の投稿